最近自動車学校が始まりまして、午前中に学科、夜に実技、というようなカリキュラムになっておりますので、今はちょうど休みにあたるわけです。

正直自分、ここまで 不器用だとは思いませんでした。他の人がサクサクこなす中でエンストエンストエンスト…そしてエンスト!

「とにかくベタ褒めする教官」に「貴方は将来確実に事故起こしますね」と言われる始末。

いやぁもうね、かなり落ち込みましたわ。ここまで才能無いとは思わなかった。

さて、今週はまだウィザードレビュー用の写真を撮っていないので、ネオ・ウルトラQの感想記事から入る事にします。



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南風原、絵美子、正平の主人公組3人は、休暇を利用し旅行へ行くことになった。その目的地は…?

ここでのナレーションでの解説が後々深い意味を持ちます。

ナレーション「7、38、55…この奇妙な数字の羅列を良く覚えておいてください」



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旅行より少し前の事、絵美子は一人の初老の女性に取材をしていました。

カフェでも貴婦人のような立ち振る舞いで、正に淑女に相応しい女性。

それは、50年前、彼女が少女の時に共に生活していた「エピゴノイド」の影響であると。

「私が彼なら、彼の事を全て分かってあげられるのに」


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そして南風原サイド。

こちらも旅行の少し前、南風原のカウンセリング診療所に一人の男性「田所ハルヒコ」がやってきます。

「エピゴノイド」の開発者、「田所キョウスケ」の実の息子である彼は、南風原に一つの依頼を。


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絵美子は女性の話を聞き、記者と言う身分を利用し調査に。

すると「エピゴノイド」の事についての記事を発見。


再び南風原&田所サイド。

「エピゴノイド」は、今から50年前に田所キョウスケ博士が作った「完璧に人の心が分かる人造人間」で、一部の富裕層に販売されていたといいます。

ある者は恋人、ある者は孤独を癒す為、そしてある者は使用人としてエピゴノイドは次々と買収されていきます。




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しかし5年前、突然彼等は田所キョウスケ博士の元に戻ってくる事に。



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ハルヒコは、あと2カ月ほどで彼らの心臓・・・というか原動力にあたる「ピッグス粒子」が機能停止してしまうと言います。

ハルヒコの依頼は、エピゴノイドの研究を継ぎたい為に、自分の元に戻ってくるよう説得しに行ってもらう事。

勿論ここで「何故自分で行かないのか?」となるわけで。


実はキョウスケ博士は、息子であるハルヒコに何も告げずに消息を絶ってしまったようで。

ハルヒコは、父の失踪が「エピゴノイド」達による物なのではないかという疑念があった為、彼等に依頼したようです。



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少し前の回想は終わり、冒頭の続きで旅行シーンの続き。

南風原と絵美子は事情を知っていますが、正平だけは事の次第を全く知らないので、普通に楽しそうです。

彼等の住処である洋館に招待された3人。招待したのは絶世の美男美女の組合せである「メリ(女性)」と「ハシオ(男声)」

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食事の注文。3人はそれぞれハシオにメニューを注文し、正平は「オムライス」を注文します。

しかし、ハシオが去ってから正平は「やはりカツカレーにすれば良かった」と思います。

すると、聴いてもいないはずなのにお届けの際にしっかりカツカレーを持ってくるハシオ。


肩が凝ったと思えば肩をもんでくれたり、酒につまみを出してくれたりとかなり気の利く2人。





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しかし、彼等には決定的な違和感が1つ。そう、言葉を発しないのです。

喋ってほしくないかと南風原に言った正平に、南風原が一言。

「人間のコミニュケーションの比率は、口調が55%、身ぶり手ぶりが38%、言葉はたったの7%だ」と。

これは冒頭ナレーションと直結する台詞ですね。




その後メリに「ちょっと喋ってみてくださいよ」と促す正平に、メリはただ微笑むだけ。

そして、正平は、彼女の耳の下にある「エピゴノイド」のマークを見つけ、この度の真の意味を知ることになります。


正平は2人に何故自分に旅の本当の目的を話さなかったのかと問い詰めます。

すると南風原は愛の研究の話をし出す事に。




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エピゴノイドはメリとハシオを素体に作られ、愛の研究をする為に造られた物らしいです。

はじめの内は田所博士の思うようにいったものの、だんだん思うようにいかなくなってきます。

「愛」とは、「相手の事が分からないからこそ成立するものだから」

相手の気持ち、感情、思考が全て分かってしまうエピゴノイド同士は、互いの気持ちは分かっても、真に愛し合う事は出来なかったと。

さらに不完全な人間の負の感情を知ったところで、彼等には苦痛しか待っていない…。

だからこそ、彼等は人間と隔離した場所で、言葉の要らない自らの街を作り上げたのです。



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その日の夜、絵美子は2人に問い質します。

「田所博士を殺したの?」…と。




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すると遂にエピゴノイドは口を開きます。

「人は何を信じないと生きていけない、それが偽りでもそれを妄信して都合の良いように捻じ曲げてしまう」と。

「僕らは博士を殺めて等いない」


すると絵美子は「周りくどいわよ!本当はどうなの?」とキレかける。

すると更に2人は「ほら、疑った。だから何を話しても無駄なんだ」と返します。これは明らか人類を皮肉ったセリフですね。




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南風原はエピゴノイドの能力で「自分の心を察してほしい」と言い放ちます。

メリとハシオは彼の心を察すると、「私達の願いを聞いてほしい」と…。



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それは愛し合う事。

自分達を不完全なものにする…すなわち、相手の心が分かるようにしてほしいと。

博士が生きているときには出来なかったけど、今やっとその理由が分かったと…。



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正平「…やっぱりこの街は静か過ぎますよ…!」


街を後にした3人。そして街には、ヒッグス粒子が切れて活動停止になったエピゴノイド達が…。






彼らの街は、どこまでも静かだった。



以上第5話でした。

5話にして人間の「心」に迫った傑作


最期の彼等は、望みを聞いた南風原達が、わざと彼らの活動を停止させた=ヒッグス粒子を切れさせたと考えて良いでしょう。

すなわち人間でいうと殺したと言う事になりますが、この後3人は田所ハルヒコに何と言うつもりなのでしょうか。

でも、ほっといてもあと2か月の命ですよね…まぁ、彼らにとっては今活動を停止させることに意味があるのでしょうが。



確かに劇中でナレーションや南風原が言うように、他人の伝えたい事ってのは身振り手振りや口調で分かってしまうものですよね。


例えば耳が聞こえない人がいたとして、彼等が言葉を話せないからといって、コミニュケーションを取るのに大して苦労はしないと思うんですよ

だからといって淡々と伝えたい事ばかりベラベラと話す人とは、「情報」を分かっても「コミニュケーション」を取っているとは言えない。なるほどと。

その「耳が聞こえない人」をエピゴノイドに置き換え、民間人(正平)、学者(南風原)、記者(絵美子)と、非常にバランスが取れた構成になっていると思います。

今回はSF風に「人造人間」を用いたようですが、やりたい事は現実世界と全く一緒。

しかもメリとハシオを演じているお二人が共に美形なので、何となく言葉は無くとも言いたい事が分かってくるのも不思議。

しかしこの田所博士、「人間の心を察する事が出来る人造人間」なんてどれだけ高性能な物作るのでしょうか。

人間の心ほど複雑な物などこの世に無いと思うのですが…。

「不完全な物に憧れる」という2人の気持ちも、なんとなく分かるような…。完璧ゆえの欠陥ですかね。


要はこの話が言いたい事は「完璧は欠陥で、何も無い事。そんな物を追い求める人間はやはり愚か」って事ですね。

ここまで人間の醜さを突いてくるとはやられました…。エピゴノイドという視聴者に分かりやすい「ロボット」をゲストに充てる事で、話の意図を分かりやすくしてるところが良い。


今回はやはり「人間のこころ」を否定してるんですが、結局そんなもの否定したってどうしようも無いですよね。こんな風刺や批判をされたって、結局人間は不完全なままだし。



前回に引き続いて、大変満足なエピソードでした。100点満点!



次回は臭い怪獣と女性のふれあい。

凄いギャグタッチなにおいがしますが…。



それでは!