盆も今日で終わりですね。
明後日から学校ですが、宿題全然やってません。
さて、最近「帰ってきたウルトラマン」の「11月の傑作群」を再視聴中でして、やはりその完成度の高さに驚かされるんですよね。
前に最低どの話も1回は見てるんですが、今回こういう記事を書きたくてもう一度見てます。
「11月の傑作群」ってのは、「帰ってきたウルトラマン」31話~34話の事で、特撮とドラマがうまい具合に融合してるってことで、傑作認知された4本の事です。
たまたま11月に放映されたので、こういう呼び名が。
私なりに抱いた感想を書いてみたかったので、早速。
第31話「天使と悪魔の間に…」
伊吹隊長の娘・美奈子が連れてきた、彼女が教会で出会った聾唖の少年・テルオ。
テレパシーで郷に話しかけたテルオはゼラン星人だった。
「ウルトラマンがプルーマに勝った時がウルトラマンの最期だ。」
郷はその言葉に反応するが、星人に「君が私の事を宇宙人と言っても、気違いと思われるだけだ。」と挑発される。
しかしテルオにつかみかかる郷はMATの職員に取り押さえられる。
伊吹隊長に事情を話すが当然信じてもらえない。
やがてプルーマが出現。MATは出動する。
テルオの一芝居でプルーマを攻撃できない。
病院に収容されたでも郷は少年につかみかかり、精神鑑定を受ける。
伊吹隊長は苦悩しながらも天使のような娘の優しさ・思いやりを優先させる。
伊吹「私はあの子を何かの偏見で人をだましたり疑ったり、差別したりするような娘には育てたくない。」
伊吹隊長の言葉に郷は予言をする。
郷 「明日、近くに怪獣が出てくるはずです。宇宙人がテレパシーで僕にそう宣言しました。もし、この予言通りに怪獣が現れたら僕の言っていることを信じていただけますか?あの少年が宇宙人だということを。」
伊吹「正直言って私はあの少年よりむしろ君の方が宇宙人じゃないのかという気になる。」
郷 「どう思われようと勝手です。 あの宇宙人はウルトラマンを抹殺するのが目的です。ウルトラマンがピンチに陥ったら、あの少年を捕まえて下さい。」
部屋に戻る郷。
郷の予言通り怪獣プルーマが出現。
郷はウルトラマンに変身する。
プルーマは至近距離からのスペシウム光線を受けても倒れない。
ウルトラマンはウルトラブレスレッドでプルーマを葬った。
しかし、これがワナだった。
ブレスレッドをゼラン星人が強力な磁力で誘導しているのだ。
「ウルトラマンがピンチに陥ったら、あの少年を捕まえて下さい。」
伊吹の脳裏に郷の言葉が繰り返し流れる。
テルオを発見した隊長は誘導装置を破壊、テルオの喉を打ち抜いた。
血を滴らせながら崩れ落ちるテルオ。
テルオの顔は悪魔のようなゼラン星人に変わり果てていた。
ウルトラマンはピンチを脱した。
教会から駆けだしてくる美奈子。
郷「僕ならあの少年は遠い外国へ行ったと言いますね。お嬢さんを傷つけないためにも。」
伊吹「いや、君がそう言ってくれるのはありがたいが、やはり事実を話すつもりだ。人間の子は人間の子さ。天使を夢見させてはいかんよ。」
この話は11月の傑作群の第1弾にあたる作品です。
私のツボはこの作品の脚本家ですよね。市川森一氏の処女作にあたる1本なわけで、このあたりが私のツボを突きます。
というのも、私の昭和ベストな作品は「ウルトラマンA」で、そのメイン作家が市川氏なんですよね。
Aの基本テイストは、卑劣で手段を択ばないレギュラーの敵ヤプールや、キリスト教がモティーフとなったエピソードが多々存在しますが、やはり脚本家が同じだからか、この1本はAの前身なのではと、私の心を擽らずにはいられないのです。
あとやはり、郷がウルトラマンであるがゆえに敵の正体が分かって、それを仲間に伝えても虚言癖扱いされたりするあたりも、若干自作のAと被りますよね。
やはり何と言ってもテーマはタイトル通り「天使と悪魔の間に」ですね。
「悪魔」は子供に対する大人の先入観を利用したゼラン星人。
「天使」は子供というだけで純粋と思われるテルオ少年、すなわちゼラン星人。
つまり両方ゼラン星人なんですよね、このタイトルが意味するのは。
ただ、「天使」というのはもう一つの解釈があるように私は思います。伊吹隊長の美奈子も、天使に値する人間ではないでしょうか。
タイトルは「天使と悪魔の間に…」ですが、この「…」の部分の後に続くものを予想するのも、この作品の趣旨の1つですよね。私なりの楽しみ方で行きますと、この後に続くのは「人間がいる」になると思うのですが、そこは視聴者にお任せ、という事で良いんでしょうか。
もう一つ目を引くのは、囮怪獣プルーマ。ゼラン星人の手下ですが、何と「ウルトラマンに倒されるための怪獣」なのです。
プルーマを倒した時にゼラン星人の罠が作動する、というのも秀逸。しかし、肝心のゼラン星人は、最終的に娘よりも郷の言葉を信じてしまった隊長により射殺。
しっかしこの回の伊吹隊長…確実に郷がウルトラマンだと気付いちゃいましたよね…、続くムルチの話でもそれらしいセリフ出てきますし。
とにかく最後の最後まで市川森一ワールド。人間の本質を突いた珠玉の一編だと思います。
第32話「落日の決闘」
竜神トンネル付近の地震を調査するため私服で登場の郷・南・上野。
過去に起きた竜神トンネル開通目前の落盤事故。
その事故で父を失った太郎少年は、自分を捨て東京へ行った母を憎んでいる。
それで東京がらみの人にいたずらを繰り返していた。
調査を進めると横穴に潜むキングマイマイが原因だった。
やがて鍾乳洞で凍っていたキングマイマイ(幼虫)が現れた。
ヒッピー姿の上野隊員のリュック爆弾で右腕を吹き飛ばされて倒れた。
そのまま空を飛んでいく上野隊員。
「隊長、上野隊員が。」冷静な岡隊員と隊長。
落日の頃、キングマイマイは脱皮し成虫へと変貌。
取れたはずの右手は元通りになっていた。
一度やられたと見せかけて糸でウルトラマンを絡め取るキングマイマイ。
ブレスレットを呑み込ませ体内で爆発させとどめを刺した。
夕陽に向かってを飛翔するウルトラマン。
過去に起きた竜神トンネル開通目前の落盤事故。
その事故で父を失った太郎少年は、自分を捨て東京へ行った母を憎んでいる。
それで東京がらみの人にいたずらを繰り返していた。
調査を進めると横穴に潜むキングマイマイが原因だった。
やがて鍾乳洞で凍っていたキングマイマイ(幼虫)が現れた。
ヒッピー姿の上野隊員のリュック爆弾で右腕を吹き飛ばされて倒れた。
そのまま空を飛んでいく上野隊員。
「隊長、上野隊員が。」冷静な岡隊員と隊長。
落日の頃、キングマイマイは脱皮し成虫へと変貌。
取れたはずの右手は元通りになっていた。
一度やられたと見せかけて糸でウルトラマンを絡め取るキングマイマイ。
ブレスレットを呑み込ませ体内で爆発させとどめを刺した。
夕陽に向かってを飛翔するウルトラマン。
初めて鑑賞した時の第一声は「これが傑作群認定!?」でした。
はっきり言って相当なウルトラ通でないと何が傑作なのか分からないかと思います。私も分かりませんでした。
脚本にバルタン星人の回を担当した千束北男氏。
特撮を担当したのはメトロン星人の回を担当した大木淳氏。
そして、何故かこの回だけあまりにもキャラが違う上野隊員。その姿はまるで初代マンのイデ隊員のよう。
まあ、この回の傑作性は「60年代のスタイルに逆戻りしたようなエピソード」なんですよね。
まあ、それだけで「傑作」認定しちゃうのはどうかと思いますけどねぇ。
第33話「怪獣使いと少年」
怪獣ムルチに追われる一人の少年・涼。
メイツ星人がムルチを封印。少年は助かった。
河原の廃墟に住み、穴を掘る涼の姿は異様だった。
涼は超能力を使う少年として「宇宙人」と疑われていた。
中学生の不良に絡まれた時も酷い目に遭わせた。
そのせいでいわれのない「差別」や「いじめ」を受けていた。
天涯孤独の少年・涼。彼はれっきとした人間だった。
その保護者が宇宙人なのではないかと推理する伊吹隊長。
郷は金山と名乗るメイツ星人と面会。彼はこの1年間の出来事を話し出した。
宇宙船を隠してあること。少年を保護したこと。
彼は少年のために「金山」と名乗り地球に永住することも考えた。
しかし、地球の汚れた空気で体が蝕まれてしまった。
おじさんが死んでしまう。
そう思った少年が宇宙船を掘り出そうとしていたのだ。
涼は超能力を使う少年として「宇宙人」と疑われていた。
中学生の不良に絡まれた時も酷い目に遭わせた。
そのせいでいわれのない「差別」や「いじめ」を受けていた。
天涯孤独の少年・涼。彼はれっきとした人間だった。
その保護者が宇宙人なのではないかと推理する伊吹隊長。
郷は金山と名乗るメイツ星人と面会。彼はこの1年間の出来事を話し出した。
宇宙船を隠してあること。少年を保護したこと。
彼は少年のために「金山」と名乗り地球に永住することも考えた。
しかし、地球の汚れた空気で体が蝕まれてしまった。
おじさんが死んでしまう。
そう思った少年が宇宙船を掘り出そうとしていたのだ。
一緒にメイツ星に連れて行ってもらうと・・・。
「地球は今に人間が住めなくなる。その前にさらばするのさ」
そんなとき、暴徒と化した「市民」が少年に襲いかかる。
金山老人は姿を現し止めに入る。
もみ合いの中、警官がいきなり発砲。
金山(=メイツ星人)は「市民」に殺されたのだ。
泣き崩れる涼、悔しさに地面を叩き、うずくまる郷。
自分のエゴ・保身しか頭になく、責任も取れない行為に熱狂していく。
「地球は今に人間が住めなくなる。その前にさらばするのさ」
そんなとき、暴徒と化した「市民」が少年に襲いかかる。
金山老人は姿を現し止めに入る。
もみ合いの中、警官がいきなり発砲。
金山(=メイツ星人)は「市民」に殺されたのだ。
泣き崩れる涼、悔しさに地面を叩き、うずくまる郷。
自分のエゴ・保身しか頭になく、責任も取れない行為に熱狂していく。
封印されていたムルチが姿を現す。
「早く怪獣を退治してくれよ~。」と逃げ出す市民。
「勝手なことを言うな。怪獣をおびき出したのはあんた達だ。」
「まるで金山さんの怒りが乗り移ったようだ。」
「早く怪獣を退治してくれよ~。」と逃げ出す市民。
「勝手なことを言うな。怪獣をおびき出したのはあんた達だ。」
「まるで金山さんの怒りが乗り移ったようだ。」
伊吹隊長が郷に話しかける。
「街が大変なことになっている。・・・・わからんのか。」
郷は無言で走っていく、そのままウルトラマンに変身した。
肩に抱えて投げ落とす。
ともかく雨中の戦いはウルトラマンが勝利した。
金山のリアカーを泣きながら引く涼の姿。
金山がいなくなってからも少年は掘り続けた。
「街が大変なことになっている。・・・・わからんのか。」
郷は無言で走っていく、そのままウルトラマンに変身した。
肩に抱えて投げ落とす。
ともかく雨中の戦いはウルトラマンが勝利した。
金山のリアカーを泣きながら引く涼の姿。
金山がいなくなってからも少年は掘り続けた。
「彼は地球にさよならが言いたいんだ」
いや…もう、これはねぇ…。
「11月の傑作群」ってのは、この話のためにあるようなもん。
主役は完全に涼少年とメイツ星人。
ある程度のウルトラファンならだれもが知っている回。
とにかく悲惨で、少年が可哀想。
当たり前ですが、この作品のテーマは「差別や偏見による警告」です。
人間は、異なる生物を拒み、排除する。
郷さんの「怪獣を目覚めさせたのはお前たちじゃないか」というのは、全視聴者を代表するセリフですね。
しかも、この市民は結局「ウルトラマンが怪獣を倒してくれた!」で終わり。
ただ、話し合いもしないで宇宙人を悪と決めつけ傲慢さを出してしまえば、必ず形となって罰が当たるという事。
この話では罰=怪獣ムルチの事です。
実はこの作品には、ウルトラマンメビウス第32話「怪獣使いの遺産」という続編があって、殺されたメイツ星人の息子が地球人に復讐しに来る、というもの。
水野はもしものことがあった時は研究所を開放して子供の遊び場にと遺言していた。
初めからレオゴンは「許されざるいのち」だと彼にはわかっていたのだ。
最終的に「次の世代である保育園児が、今よりもっと優しい地球を作り、メイツ星人に認めてもらう」という形でピリオドが打たれるんですが、それでもまだ釈然としないんですから、よっぽどこの話の救いようのなさが浮き彫りに…。
当然、紹介する4つの中で、これが1番おすすめです。…すべての人に見ていただいて、色々と考えてほしいな…なんて。
第34話「許されざるいのち」
科学者・水野一郎は郷の幼なじみ。動植物を専門に研究をしている。
「新しい命」を生み出そうと怪しげな装置を作り出す。
その結果、トカゲとウツボカズラを合性したレオゴンを作り出した。
「命名レオゴン」という紙が父親の肖像の横に貼られる。
しかし、レオゴンは研究所を逃げ出した。
次の日、巨大化したレオゴンが現れた。
郷は水野の所に鑑定を依頼する。
次郎の口から事の真相を知った郷は次郎を連れて研究所へ。
そこで水野は真相を語り号泣する。
「レオゴンを生み出したことが罪だと言うんなら僕はもう死ぬしかないんだ!」
郷は水野を説得しレオゴンを倒す方法を聞き、協力を求める。
しかし、水野は自分の作ったレオゴンを前にして殺すことができない。
フラフラと湖に歩を進める水野。
水野はレオゴンの蔓に捕らえられ、呑み込まれてしまった。
郷はウルトラマンに変身。ウルトラブレスレッドで倒す。
その結果、トカゲとウツボカズラを合性したレオゴンを作り出した。
「命名レオゴン」という紙が父親の肖像の横に貼られる。
しかし、レオゴンは研究所を逃げ出した。
次の日、巨大化したレオゴンが現れた。
郷は水野の所に鑑定を依頼する。
次郎の口から事の真相を知った郷は次郎を連れて研究所へ。
そこで水野は真相を語り号泣する。
「レオゴンを生み出したことが罪だと言うんなら僕はもう死ぬしかないんだ!」
郷は水野を説得しレオゴンを倒す方法を聞き、協力を求める。
しかし、水野は自分の作ったレオゴンを前にして殺すことができない。
フラフラと湖に歩を進める水野。
水野はレオゴンの蔓に捕らえられ、呑み込まれてしまった。
郷はウルトラマンに変身。ウルトラブレスレッドで倒す。
水野はもしものことがあった時は研究所を開放して子供の遊び場にと遺言していた。
初めからレオゴンは「許されざるいのち」だと彼にはわかっていたのだ。
はっきり言ってこの話も傑作認定するほどじゃないと思います。
確かにテーマはメッセージ性の高いものですが、いや、帰りマン自体傑作選の寄せ集めのような作品なので、突っ伏してこの作品がめちゃくちゃ完成度高いようには…。
レオゴンを生み出してしまった水野の葛藤など見どころは確かにありますが。
特筆するとすれば、このエピソードは当時高校生だった一般視聴者が円谷プロに原稿を提出したという事。
まとめ
11月の傑作群ってのは、褒め称えた敬称ではなく、初代マンとセブンファンが「帰りマンのエピソードはこの4(5という場合も)本以外視聴に値しない」という事でつけられた蔑称なんですよね。
「帰りマン」のファンは、この呼び名を良しとしない場合もあり、初代マン&セブンファンに対抗しようとしたりもしました。
しかしまあ…こうして後に傑作選として楽しめるんだから、結果オーライでしょ!と、私は思いますがね。
とにかく、未視聴の方にはとにかくお勧めです。この4本。
それでは!
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